塩尻ICから少し美ヶ原方面の山間に入った、周囲に人里のない静かな場所に加工場はあります。
山崎商店がオープンに至るまで
オーナーの山﨑さんは松本生まれの松本育ち。
元々は大工職人という、全く異なる業界で働いていましたが、34歳の時に勤めていた会社が倒産し、飲食業へ転職。そこで初めて食べた鹿肉に感動し、加えてこの周辺は二ホンジカの高密度生息地域で、野生鳥獣による畑の食い荒らし等農林業被害が大きな問題になってきていること、また害獣として駆除され、捨てられているという現実を知ったとのこと。
都心からのアクセスが良いことから近年移住者が急増し、食の流通が見込める松本市が近く、鮮度の良いまま鹿肉を市場に届けることが可能であることから、こんな旨い肉が活用されていないことへの憤りと、地域の宝として広めたいと思い、ジビエ専用の食肉加工施設を作る考えに至りました。
加工場に適した場所を探し回り、近隣住民にも理解を得るため説明会を幾度も繰り返しましたが、良い場所が見つからず、苦労の日々が続きました。
最終的に行きついたのが、祖父が以前から所有していた、山間の荒れ放題の土地。
土地の造成からスタートし、6年かけてやっとオープンに漕ぎつけました。
命をいただくことへのリスペクト
猟師たちは前日に仕掛けた罠を日の出とともに見回り、かかった鹿をその場で締め、血抜きをしながら加工場へと運んできます。
魚などと同様、鹿もストレスがかかると身焼けしてしまったり、罠から逃れようと激しく体を打ち付け、打ち身になることで食材としても状態の悪いものとなってしまいます。
鹿をできるだけ苦しめることなく素早く解体、加工を行うことが美味しさ、供養にもつながるという考えのもと、トライ&エラーを繰り返したそうです。
その結果、最初は1頭50kgの鹿を捌き、整形、真空保存まで丸1日を要していましたが、今では6時間程度で行えるようになったとのこと。
目標は歩留まり100%。肋骨やレバーも乾燥させてナチュラルなペットフードも販売を始めました。余すとこなく活用する。命をいただくということへの畏敬の念を感じます。
ストレスと鮮度へのこだわり、スペシャルなジビエ
山崎商店の鹿肉は一切臭みもなく柔らかいので、ジビエが苦手な人でも食べられる逸品。
部位も様々で食べ比べも面白く、ミンチなど加工後のものはハンバーグなどにも簡単に
アレンジが可能です。
命へのリスペクト、鮮度へのこだわり、自然との共生など、これらのストーリーも含めると、一度知ってしまったら他の鹿肉は食べられなくなるのでは、と思ってしまう、一級のジビエです。
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