高知の方言で《どくれもん》は、「ヘソを曲げた頑固者」という意味。しかし、その心には決して譲れない想いがあり、長いものに巻かれず、大きなものにも飲み込まれない情熱を秘めている。
漁師も商人も公務員も、おいしい鰹を食べたいがために漁法にこだわり、鮮度にこだわり、焼き方にこだわり、食べ方にこだわり、鰹に対する一切の妥協はなし。「とにかく美味しい鰹を届けたい」そんな思いが詰まった鰹のたたきだ。
漁師町の文化を直送
世界中を回遊する鰹は、獲れた時季や場所によって、脂ののり方や食感、うま味など、個性が異なる。
高知龍馬空港から車で約1時間のところにある久礼は、鰹の一本釣り漁が盛んな漁港。さらに、久礼の人は毎日のように鰹を食べ、いわば鰹の味に「うるさい」土壌が出来上がっている。
比較的温暖な海洋である土佐沖※で獲れた地鰹は、脂ののりがほど良く、赤身はモッチリ弾力があって甘みとうま味を豊かに蓄えているのが特徴。処理や鮮度にこだわった久礼漁港で水揚げされる鰹のファンも多く、それに応えるように漁師たちも切磋琢磨している。
※久礼港から比較的近距離圏内にある海のことを、ど久礼もんでは「土佐沖」と呼んでいる
鰹を愛するからこその一本釣り
鰹の伝統漁法のひとつ、一本釣り。海を泳ぐ鰹の大群、魚群に釣り竿一本で立ち向かう、漁師と鰹の真剣勝負。鰹が針に食らいついたら竿を振り上げ、活きの良いまま船に釣り上げる。
体力や技術が必要とされ、一気に網を巻き上げる漁法に比べたら効率もまったく良くないが、ほかの魚や網に鰹の魚体が擦れないことや、海から引き上げて一瞬のうちに保冷庫へ移せることから、鮮度と身質の良さをキープすることができる。
また、一本釣りは鰹を乱獲することがない「持続可能な漁法」でもある。鰹を愛するからこそ、おいしい鰹を守りたいからこそ、ど久礼もんは漁師さんと共に一本釣りにこだわっている。
藁が生む薫りと香ばしさ
おいしいタタキを焼き上げるには、良い炎と煙を上げる藁が必要。ど久礼もんが使うのは、地元・中土佐町産を中心にした国産の稲藁のみ。しかも、稲藁の根元から刈り取った長い寸法や、絶妙な煙と炎のバランスを生む乾燥具合など、稲藁農家さんにはひと手間もふた手間もかけてもらった逸品だという。
そんなこだわりの稲藁をふんだんに使い、炎と煙を操るのはど久礼もんの焼き職人。鰹一本一本の身質を見ながら、勢いのある炎で一気に皮面を焼いて脂に香ばしさを生み、さらに濃厚な煙をまとわせて薫りをプラス。そして、地鰹の最大の特徴である赤身の鮮度を生かすため、皮以外の面は炙るくらいに抑えて仕上げる。炎の熱さを忘れるほど、全神経を使う仕事だ。
釣りたて・焼きたての鮮度を追求
漁師さんが鮮度を保って釣ってきた鰹が揚がる久礼では、高鮮度の鰹を食べるのが当たり前。しかし、その高鮮度をご家庭の食卓へ届けるにはどうすればいいのだろう? それは、ど久礼もんにとって永遠のテーマ。
現在は、港で仕入れた鰹をスラリーアイス※で鮮度保持して運び、すぐに捌いてタタキに加工している。また、焼き上げた直後にもスラリーアイスで一気に冷却することで、余熱で火が通るのを防いでいる。
大学と町の研究で生まれたスラリーアイスは、塩分濃度1パーセントの塩水からつくるシャーベット状の氷。0.2ミリほどの細かく丸い粒状で、魚体に当たっても傷がつかず、まとわりつくようにまんべんなく包み込むのが特徴。凍結寸前のマイナス0.8度で冷蔵することで、解凍時の劣化もなく、釣りたてのおいしさを保つ。鰹のまちがこだわる、最先端の技術だ。
日本一ゆえの厳しい基準
久礼の市場は、土佐沖の鰹の水揚げが全国1位。土佐沖の鰹の取り扱いのプロとして日々、鮮度、目利き、選別の基準に厳しく向き合っている。また、高知県は鰹の消費量が全国1位。それだけ消費者の目が肥えており、「下手な鰹は提供できない」と、県内の魚屋も全体的にレベルが高い。
捕獲、目利き、焼き方、冷凍技術、細部までこだわり抜いた、究極の鰹のたたきをご家庭でお楽しみ下さい!
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